命を狙われているという娘・椿と、その護衛を務める同心・瀬田銀次。江戸の町を共に歩く二人の恋に、不審な死をめぐる謎が重なっていく物語です。
剣の腕は立つのに、恋には不器用な銀次。椿に心を乱される彼も、銀次の言葉に胸を高鳴らせる椿も可愛らしく、周囲の人たちと一緒に二人を見守る気持ちになりました。
だからこそ、事件の真相に近づくにつれて、先を知りたいのに知るのが怖くなります。何気ない買い物や、あぶり餅を分け合う時間まで、読み終えてから思い返すと胸に迫りました。
本編の余韻を抱えたまま外伝を読むと、椿を見る気持ちがさらに揺さぶられます。最後まで読んだ後、もう一度プロローグの言葉に触れてほしい作品です。