間違えて編立

 ニットの企画部で柄組がらくみ(CAD)をしていた時。

 大きく5つの役割に分かれてニットは製造される。

 企画(①データ作成 ②パタンナー)、③編立あみたて、④縫製、⑤仕上、となる。

 流れとしては、企画がデータ作成、編立が機械を使って編む、縫製が縫う、仕上げで検品、直し、袋詰め。そして出荷となる。

 昔からの流れで ②パタンナーは100%女性、③編立は100%男性、④縫製は100%女性となっていた。おそらく今もそれは変わっていない。

 ③編立は100%男性と書いたが、1人だけ女の子がいた。私の2歳年上だった。


「長谷川はさ、なんで編立することになったの?」

「間違ったんだよ」

「間違った?」

「うん」


 何を間違ったのだろう?


「どういうこと?」

「面接の時に『編立がしたい』って言っちゃった」

「編立したかったの?」

「いや、そうじゃなくて『編立』のイメージ? があったから」

「は?」

「私の中で『編立』のイメージが『縫製』だったの」


 ちょっと考えた。


「……おま……馬っ鹿じゃねえの!? マジで!? 完全に間違ってんじゃん!」

「だから間違えたんだって」

「うわぁ……間違えたって上に言えよ」

「言いづらいよ」


 そんな子もいる。

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