バイオレンスデー

バイオレンスな話。引くくらいに。


理解ができなかった。タイマンでひとりひとり仲間がやられていった。一応形式としてはタイマンらしいが、隣町のそいつら10人くらいに対してこちらは1人だけ呼び出される。5日かけて5人やられたところで、私の順番が回ってきた。電話がかかってくる。


「おぅ、こいや」

「なんでや」

「いいっけ」

「……うっぜぇなマジ」


本当に10人が土手の上に立ってる。私は予定通り挑発した。


「俺のことリーダーだとでも思ったん?」

「じゃあ誰なんだよ」

「いねえよ」

「?」

「そっちの伊東と俺とがやったら、俺は負ける。絶対に負ける。でもそっちのリーダーは英二なんじゃねえの? 英二、こいよ」

「舐めるなよ」

「いいっけはよ」


英二が駆けおりてきた。土手では下にいるほうが圧倒的に足元が安定している。駆けおりてくる英二の膝を狙って殴った。グローブにメリケン仕込んでいた。あとはもう執拗に膝。たぶん、割れた。あちらの仲間は呆気に取られて、誰も動かない。救急車呼ばないとマズイのに、誰も呼ばないようだった。


「つまんね、帰る」


それから4年後、パチンコ屋で英二を見かけた。左足を引きずって歩いていた。救急車誰も呼ばなかったからだ。

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