共食いの世界に転生したら、神になるしかなかった
@Chelyuskints
第一章:檻の中の誕生
前世のことを、私は覚えている。
それが、私と彼らの唯一の違いだ。
彼らは何も覚えていない――肉の匂いと、骨の砕ける音だけを知っている。
私はオフィスを覚えている。モニターを覚えている。心臓が止まる直前に考えていたことを覚えている。
*私は生体ロボットだ。どうでもいい。*
あの頃は、どうでもよかった。
今は、興味がある。
---
独房は鉄と、あまり深く考えないようにしている甘い何かの匂いがした。
壁は暖かかった――暖房ではなく、体温のせいで。
この房には大勢いた。
私が一番小さかった。
母は私をきつく抱いていた。
大柄な女で、声は静かだった。
目がとても落ち着いていた。
世界がこういうものだと、もうずっと前に受け入れた人間の目だ。
生まれて三日目、彼女は言った。
「お前は特別だ」
私は答えなかった。生まれて三日――言葉はまだ話せない。
でも、わかった。
彼女も、何かを感じていた。
---
この世界の仕組みは単純だった。
強い者が弱い者を食う。
比喩ではなく、文字通りに。
これは残酷でも倒錯でもなかった――経済だった。
資源は限られている。肉体は資源だ。
あまりにも純粋な論理。前世なら、これについてエッセイを書いていただろう。
この世界の神々――最も多く食い、最も長く生き延びた者たち――は上層に座っていた。
彼らは「喰らい人(クライビト)」と呼ばれていた。
蔑みではなく、敬意を込めて。
どんな世界でも、成功者はそう呼ばれる。
私は房の石床に寝転び、上層を見上げながら考えた。
あそこへ行く。
権力が欲しいからではない。
この世界で論理が純粋に機能するなら、そこが唯一の論理的な終着点だからだ。
---
七日目、房で最初の死者が出た。
隅にいた老人。生まれた日からずっと観察していた。彼が息をしなくなると、房が静かに動き出した。
静かに、整然と、争いもなく。
まるでずっと前からこの瞬間を知っていて、どう振る舞うかを決めていたかのように。
母は私を反対側に向けた。
それでも私は見ていた。
注意深く見て、記憶に刻んだ。
恐怖からではなく、興味から。
前世では画面を見て、ピクセルに縮小された人間を見ていた。
ここでは、機能に縮小された人間を見ている。
思っていたより、差は小さかった。
---
私が最初に発した言葉は「お母さん」ではなかった。
母が顔を近づけてきた――その目に期待が見えた。
ここでも、この房でも、すべてのものの中でも生き続ける、あの人間的な希望。
私は言った。
「層はいくつある?」
彼女はしばらく黙っていた。
「七つ」と、ようやく答えた。
私は頷いて、目を閉じた。
七層。つまり、七つの段階だ。
前世、私はどうでもいいという気持ちで死んだ。
あれは嘘だった。あまりに長く自分に言い聞かせて、信じてしまった嘘。
本当は、行く場所がなかっただけだ。
今は、ある。
---
私は観察から始めた。
本当の意味で得意なことはそれだけだった。
前世では画面を見ていた。今は人間を見ている。
誰が強いか。誰が弱いか。強いと思っているが間違っている者は誰か。弱く見えて、待っている者は誰か。
房は小さな世界だった――独自の政治、同盟、裏切り者がいる。
どこへ行っても人間は同じだ。変わるのは舞台だけ。
母は私を観察し、黙っていた。
ある夜、彼女は静かに言った。
「お前は彼らと違う」
「わかってる」と私は言った。
「危険だ」
「わかってる」と、また言った。
彼女は少し黙ってから言った。
「何が欲しい?」
私は考えた。
知らないからではなく、正確に言いたかったから。
「奴らに、私の手から食わせたい」と私は言った。「全員。最上層まで」
母は目を閉じた。
「なら、小さなことから始めなさい」と彼女は言った。「私から始めなさい」
私は彼女を見た。
彼女は静かな目で私を見ていた――世界がこういうものだと、ずっと前に受け入れた目で。
彼女が何を意味しているか、理解した。
最初に思ったこととは違った。
彼女は自分を教師として差し出していた。最初の道具として。最初の一歩として。
私は頷いた。
夜明けに、最初の授業が始まった。
共食いの世界に転生したら、神になるしかなかった @Chelyuskints
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