質感と叙情の筆致で、見たことのない景色に連れて行ってくれる作品です。特に阿蘇から眺める風景の描写は、宝石のように輝いています。生き生きとした友達との掛け合いも見どころ。いつのまにか、読者が三人目の同行者になっています。美咲さんの「走る理由」にも触れられ、目が離せませんでした。読み終えたとき、自分も旅をしたくなりました。
バイクの車種名などが前面に出てくるわけではないのに、不思議と「一緒に走っている感覚」になる作品です。フェリーの描写や阿蘇の風景はとてもリアルで、読んでいると自然に映像が浮かんできます。文章の力を感じました。バイクに乗る人ならきっと共感できる空気感があります。バイクが好きな人におすすめしたい作品です。