用意周到なる密室殺人。その矛先は、明らかな被疑者へと向けられていた。
しかし、決定的な証拠がつかめない。
「動機」だけで事件を裁こうものなら、世間の嘲笑を買うだけだ。
そんな状況に、佐藤は静かにしていられなかった。
そして、新たな凶行が起こる。
事件に翻弄されるだけなら、きりがない。
解決のためなら、手段を選んでいる場合ではない。
そうして、守勢に立たされた警察組織は、罠へと足を踏み入れる。
人を殺すのは、激情か、さもなくば周到な計算か。
戦いは謀略──その原則を見誤れば、たとえ天才的なベテラン刑事であっても、敗北は免れない。