文体、情景描写、丁寧な作風から、読んだ人は純文学と評するでしょう。
ただ私には、少し捻くれた言い方ですが、そう断じてしまうにはおしいような気がします。
純文学をけなすつもりは毛頭ありません。
しかし、この作品には多分にサービス精神のようなものを感じます。媚びている、とはまた違うような。むしろ、読み手に寄り添うような温かみのようなものを感じるのです。
どこか冷たさを感じるスックとした純文学の塔ではなく、私達の隣に立っているような、そんな温かみ。それがこの作品の本質では、と考えた次第です。
登場人物に感情移入をしすぎているせいかもしれません。それは分からない。
ただ確かなのは、私はこの作品を読んで、どこかホッとしたということだけです。
素敵な物語をありがとう御座いました。