短編という形を使い、提示情報を最小限に抑えた上で、それこそ童話の様に流れと結果だけを見せて来る雰囲気。
登場人物のほとんどが人形であるというのも、グロテスク表現を描写するにしても上手い避け方だと思いました。
こういう事があった、だからこうした。そこにはこんな思いが詰められていたが、結果はこうなった。
坦々と進む様に思えて、試行錯誤が非常に人間味を帯びている。
どうしても同じ結果に辿り着いてしまう道のりと、その後辿り着いた場所にあったのは、やはり“感情”という不確定なモノ。
それを登場人物たる人形達がどう受け止め、何を成そうとしたのか。
それぞれの思考や想いを抱きながらも、最後には純粋で残酷な結果を導き出すというのは、とても“人らしい”のかなと。
内側から見た時と、外側から見た時で間違い無く善悪の判断が分かれるような、印象深い作品でした。
(「10テーマ小説コンテスト」骨太ダークファンタジー部門 講評4選/文=くろぬか)