企画に参加させていただいているご縁で読ませていただきました。
音楽を始める瞬間の、眩しさと怖さが丁寧に描かれている作品でした。
真白がベースと出会う場面から、
人前で初めて音を出す場面、
三人で初めてスタジオに入る場面まで、
「できるようになった」ではなく、
「まだできないけれど、それでも鳴らしてみたい」という気持ちがまっすぐ残っています。
この作品の良いところは、音楽をただ格好いいものとして描くだけではなく、
下手な音、ずれるリズム、言葉にならない憧れまで、ちゃんと青春の一部として置いているところだと思います。
矢田の前へ進む熱。
大淀の柔らかいリズム。
真白の、下から支えようとする音。
三人はまだ完成していない。
でも、未完成だからこそ、その一音がとても眩しく見える。
ステージの光に憧れるだけではなく、
自分たちの足元に、最初の線を引いていく物語。
続きをゆっくり追いたくなる作品です。