非リア歴をこじらせた博和が“思春期症候群”を発症し、唯一頼れる相手として選んだのは中学からのオタ友・佐山志穂。塩対応で地味なはずの彼女と、流れで休日オタ活に行くことになった時点で物語はすでに転がり始めている。そして、トイレから戻った瞬間に立っていた美少女――その口調と癖が、博和の知る志穂とぴたり重なる場面の衝撃が強い。五年の友情が一瞬で別の色に塗り替わる“正体バレ”の瞬間が鮮やかで、読者も博和と同じように足を止めてしまう。等身大の青春と、思春期特有の痛みと期待が心地よく混ざった一作。