読ませていただきました。
「失った記憶や物はどこへ行くのか」という発想が、とても優しい作品だと思いました。
倉庫の先に広がる草原や、空中に浮かぶ小物たち、忘れ物の記憶を見ている少女。
そういう世界の作り方に、どこか絵本のような不思議さがありました。
特に、忘れられたものや記憶が、ただ消えてしまうのではなく、どこかで誰かを待っているという考え方が素敵でした。
湊とポチが迷い込んだ草原は、少し怖い場所でもあります。
けれど同時に、失くしたものにもう一度触れられるような、あたたかさもありました。
最後まで読むと、凪沙と湊の関係にも静かな余韻が残ります。
発想の優しさと、物語を最後まで届けようとする気持ちが伝わってくる作品でした。