Case12. 勘違いストーカー騒動とSNSの現実
俺・尊(たける)は今日も開店準備をしていた。今日は悟も大学が休講でずっといるし、仕事が捗る。
―――俺ら久我3兄弟が営む店は“お命頂戴致します。”というかなり物騒な名前の喫茶店。両親から引き継いだ。
俺らは長男聡(さとし)がごくまれに接客(客からレアキャラ扱いされてる)、次男の俺・尊(たける)が接客、三男の悟(さとる)がラテアートをしている。
この喫茶店の裏の顔はまぁ、何でも屋かなぁ?でも対価は頂く。なにしろ店名が‘お命頂戴致します。’だし。
そんなのもあって、うちの表も裏も経理とか雑務をしてくれているのは、瀬(せ)蓮(ばす)。執事?みたいな。完全に裏の仕事を手伝ってもらっているのは、キャサリン。おかまバー経営。敏腕情報屋。ただし、うちの専属なんだけど。
そんなメンバーで今日も開店します。
ここよね?私に相応しい場所。うふっ。SNSで大評判だもの。たっぷり拝ませてもらいましょ♪
「「いらっしゃいませー!」」
やっぱり、眼福!写真の類はここではNGなのよね。残念。SNSの評判よりも男前が2人もいる!
「ご注文はお決まりですか?」
「えーっとぉ。カフェラテを一つ。ラテアートはドロップでお願いしまーすぅ」
「かしこまりました。では、しばらくお待ちください」
待ってる間も男前を見ていれば暇つぶしになっていいわぁ。
尊・(うげっ、変な視線を感じる。ここはひとつ、悟の所に逃げ込もう!)
―――2時間後
尊・「お待たせしました。カフェオレです。で、用件は?」
「えーっとぉ、最近エリカのまわりを付きまとってる人がいるんで、何とかしてほしいですぅ」
尊・「わかりました。では、1週間後にまたここで」
「え?1週間後?うーん……、わかりました!」
尊・「キャサリンどう思う?」
キ・「100%あの女の思い込みネ。人目にはつくわヨ、だってチューブトップにホットパンツだけど、合間からゼイ肉が出てるんだもの!ぶっ、ふふふ。尊クン、よく笑わずに応対出来たわね。私すら、プロポーションには気を使ってるのに!」
尊悟・((キャサリンはゴツイからなぁ))
瀬蓮が現れた。
瀬・「尊様はこの瀬蓮が接客のプロとなるようにと教育をしました故……」
悟・「尊兄マジすごいよ。俺は奥で笑い堪えてた。胸・ゼイ肉・尻・太ももで段ゼイ肉になってるんだぜ?脚は違うけど。頭なしでSNSに写真投稿されてたりすんじゃねー?」
尊・「ま、キャサリン。今回も情報引き出してくれない?」
キ・「イケメンは正義よ!尊クンの頼みなら頑張っちゃう!悟クンもなかなか言うわね。あ、さっきのでもうSNSにアップされてる!こういうので目線が気になるとか言ってるのか……」
―――1週間後
尊・「うちの専属の情報屋に貴女について調査してもらいました」
「あら、そこまでしてもらってるのね。付きまとっている人いるでしょ?少なくとも3人は。ふぅ、モテる女って大変ねぇ」
キ・「冤罪ヨ。付きまとってるんじゃなくて、帰る場所が同じなだけ。同じマンションの住人。話を聞いたら、「そんなわけねーだろ」って笑われたワヨ」
「えっ?じゃあじゃあ、視線を感じるのは?」
キ・「貴女がそんな格好してるからねぇ。SNSに投稿されてるわヨ?顔抜きで」
「やっぱりSNSに勝手に投稿されてたりするんじゃない。これだから、持って生まれた美貌って困るわぁ」
キャサリンはスマホの画像を見せた。
キ・「SNSですごい馬鹿にされてるけど?大評判ヨ?どこまで拡散してるのかしら?」
「嘘よ。嘘嘘!作った画像じゃないの?」
キ・「それなら、自分のスマホで確認すれば?」
確認後、彼女は項垂れた。まぁそうだろうな。
「この後、どうすれば……?」
「海外に行くなり、ダイエットするなり好きにすれば?」
キャサリンは女性には冷たい。
キ・「あぁ、エリカさんは資産と呼べるもの持ってないわヨ?そうよね?どうするつもりだったの?」
「え?それは……エリカの初めてを捧げようと……」
ハッキリ言って迷惑だ。
尊・「貴女もそうですが、依頼者に報酬を選ぶ権利はないんですよ。そうですね、それでしたら―――瀬蓮!」
瀬・「お呼びですか?」
尊・「瀬蓮の部下にこの依頼者のような容姿を好む人はいないか?」
瀬・「一人くらいいるかと……」
尊・(瀬蓮も悩むのか…)
「「「では、“お命頂戴致します。”」」」
~その後の依頼人
尊・「なんか、瀬蓮の部下とうまくいったみたい」
瀬・「不肖瀬蓮も相手を探す骨を折ったかいがありました」
聡・「独占欲が強いらしくな、こないだみたいな格好はNG。あと、妊娠も発覚したらしい。それで、母胎に影響しない程度にダイエットしているって話だ」
キ・「はぁ、妊娠・出産は女の夢よねぇ」
悟・「キャサリンはおと……っむぐ」
俺は悟の口を塞いだ。
尊・「それ以上言うと、血を見る。やめておけ、聡兄の出番になる」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます