第1話の主人公・遠野葵のキャラクター設定が最高に好きだ。
新作VRMMO「KFO」のチュートリアルで、各国の紹介を一通り聞き終えたあと、彼女がチュートリアルAIに問いかける内容がこれだ——「ちなみに聞いてもいい?それぞれの国には美味しいものとかあったりする?」
冒険や景色ではなく、食事が一番の関心事。ゲームを始める動機が「色んなものを食らいたいから」というブレなさが清々しい。
そしてNPCが料理を作ってくれるまで時間がかかると知ると、すかさず「モンスターって食べられる?」と聞く発想の転換が鮮やかで、読者の笑いを誘いながら自然にモンスタープレイへの導線を引く構成が巧みだ。
ゲームの動機が純粋に「食欲」という一点にある主人公が、どのように世界を喰らい進んでいくのか——第1話だけで続きを読まずにはいられない掴みになっている。