自身のマスターと生き別れたコンピュータ。
その機械が異世界の少女に転生し、彼女……シオンはマスターを探しに南極へ向かう……
剣と魔法のファンタジーの世界。そして機械。
その相反する物が融合された世界は硬質だけど、暖かみとどこか懐かしさを感じさせます。
この作品は間違いなく読み手を、最終話まで鷲づかみにする魅力に富んでいるけど、その推進力となっているのは間違いなく主人公のシオンです。
機械の転生、と言う事もあり、感情に乏しく語彙もコンピュータを連想させるもの。
でも、思考や行動には人の暖かさがある。
うまく言語化できないけど、この主人公シオンには出てくるだけで、その場面を支配する魅力に溢れています。
華、とでも言うのでしょうか……
カクヨムで色々作品を拝読させて頂いてますが、贔屓目抜きで主人公としての場面を塗り替える力や華としては、トップクラスだと思いました。
また、批評企画をされていることもあり、文章の安定感は白眉で、機械の迫力や魔法世界の情景などの映像がすぐに脳内に立ち上がります。
異世界ファンタジーと機械の融合した独自性のある世界観。
それを進めるうえで、シオンの魅力と並ぶ推進力となっています。
これから、シオンの物語はどのように広がるのか。
彼女をひたすらに追いかけたい。
読んだ方は例外なくそう思われる、と自信を持って言えます。