逃げる手段はあるはずなのに、なぜか魔法がうまく使えない。
それは罠のせいか、それとも彼女自身の心の揺らぎなのか――。
知略を尽くして師匠を追い詰める弟子の「歪んだ純愛」と、それを拒絶しきれない魔女の「孤独な甘さ」。
「寿命」という絶対的な壁すらも禁忌で塗り替えようとする弟子の狂気的な献身に、魔女が抱いていた「諦め」という名の孤独が侵食されていく過程が、この上なく甘美に描かれています。
一方的な略奪か、あるいは二人の共犯か。
主従の均衡が崩れ、愛の檻が閉ざされる瞬間を描いた、背徳的で甘美なファンタジーです。