宇宙船で一番危険な場所はどこか。たぶんブリッジではなく、厨房です。
この作品は《宇宙船アルデバラン号》のキッチンを舞台にしたSFコメディ。
重力制御が再起動するたびに、厨房が軽くパニックになります。
人参はふわりと昇進し、シチューは球体になって漂い、魚の切り身は群れを作って回遊する。
それを料理長たちが「回収」「拿捕」「作戦」など妙に本格的な言葉で対処していくのが本当に面白いです。
個人的に好きなのはナン・ドッキング作戦。
真面目なSF作戦名なのに、やっていることはナンでシチューを捕まえるという大胆すぎる方法。この発想がすごいです。
しかも、遠藤さんの運用や効率化へのこだわりが随所に光っていて、毎回ちゃんと「どう回すか」を考え抜いている感じが、このシリーズならではの魅力だと思いました。
一話は3〜5分ほどで読める短編形式なので、ちょっとした空き時間にもぴったりです。
宇宙なのに妙にリアルな“厨房の戦場”。
アルデバラン号の次の事故報告書(新メニュー)も楽しみにしています。