午前6時の事務室で(本作は生死および福祉現場の心理的現実を扱っています)
夜勤明けの事務室、午前六時。
まだ街が目覚める前の静かな時間に、人は自分の本当の輪郭と向き合う。
福祉の現場で働く者、報告書を書く者、ただ椅子に座り続ける者――そこには「救われた物語」ではなく、救えなかった記憶と、それでも続いていく日常がある。
声にならなかった言葉。記録されなかった沈黙。
制度と現実の隙間に残された、誰にも届かなかったはずの感覚を掬い上げる短編連作。
これは、終業前の一時間にだけ存在する、もうひとつの現実の記録。
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