母親が交通事故に遭い、意識不明。
家族が病室へ駆けつけ、容体はさらに悪化していく——。
ここまでなら、誰がどう考えても笑える状況ではありません。
……なのに。
気がつけば私は、
「次は何を言うんだろう」
と、この家族のやり取りを楽しみにしていました(笑)
きっかけは、息子・アヤトのある告白。
そこから父、姉、息子の三人が、母親を救うために知恵を絞り始めます。
しかも、この家族。
状況は切迫しているはずなのに、途中から完全に攻略法を探し始める。
何なら、反応を見ながら傾向まで分析している。
そのあまりにも真剣な姿が、逆におかしくて仕方ありません。
けれど、ただ悪ふざけをしているわけではないのです。
三人とも、本気で母親に生きていてほしい。
だからこそ、とんでもない方法でも必死に試し続ける。
その根底にちゃんと家族への愛情があるから、笑いながらも不思議と嫌な気持ちになりませんでした。
そして何より好きなのは、
母親がどんな人物なのかが、本人がほとんど喋らない状況なのに、家族の言葉や反応からどんどん見えてくるところ。
厳しくて、曲がったことが嫌いで、それでも家族の中心にいる人。
だからこそ、この“作戦”が成立してしまうのですね。
命の瀬戸際。
笑ってはいけない病室。
そこで繰り広げられる、あまりにも必死で、あまりにもおかしな家族の奮闘。
「これって笑っていいの?」
——はい。
私はしっかり笑ってしまいました(笑)
そして最後まで読むと、きっとこのタイトルをもう一度見たくなる作品です。