少女が少年に出会い、そこから少女の見えている風景が変わり始める。さらにそこから2人の関係性がさらに変化を起こしていく。ガールミーツボーイのミステリアスな距離感ドラマの王道パターンだ。
この手のジャンルで有名な作品といえば植芝理一氏のディスコミュニケーションを思い出す。正体不明で奇妙な行動を繰り返す彼、それが気になって仕方がないヒロインは彼との距離をどんどん近づけていく。そしてそこから様々なドラマが巻き起こる――、男女ペアの人物がお互いの距離感によってそれぞれの見えている風景が徐々に変わっていく。
距離を近づけることによってヒロインから見えている彼を中心とした風景が刻々と変化していく。より詳細により深く、彼の持っている事情や情報や秘密、他者に明かせないドラマ――そうしたものが次々に見えてくることでさらに彼をもっと知りたいというベクトルにハマっていく。
だが、この手のジャンルの最大の特徴として『どんなに近づいても彼女の方から彼の全体像は絶対に見えない』という点だ。
彼女は彼自身ではなくあくまでも第三者でしかない。それでも彼を知ろうとする時、距離感の限界を超えるべくヒロインの内面に変化が起こり、それはヒロインの成長のドラマへとつながるのである。
本作品はまだ始まったばかりであり、ここから先ヒロインから見える風景がどのように変わっていくのか? まだ予想すらできない。 しかし、それ以上に重要なのはヒロインの内面がどう変化し、それが彼にどんな影響を与えて、2人はこれからどう成長していくか? という点だ。
その、これからのドラマの期待値の高さにおいて、非常に 優秀な作品と言える。