ゾンビもの。ホームセンター籠城もの。設定だけ聞けばどこかで見た話だ。だけどこの作品は語り手が全部ひっくり返す。
世界が終わった朝、この店長がまず考えたのは従業員に連絡すべきかだった。外では人が噛み殺されてるのに、頭の中は労務管理。しかもちゃんと電話する。繋がらないけど。
助けを求める人を入れなかった理由が「営業時間外だから」。直後に「いや、冗談だ」と自分で突っ込む。この一行で、この店長が冗談で本音を包む人間だとわかる。本当は怖くてたまらないのに、店長の言葉遣いを崩さないことで正気を保ってる。
釘打ち機で窓を塞ぎ、溶接でドアを封じ、過剰在庫の資材で要塞を築く。ホームセンター店長、終末最強説。読みながらずっとこの人の次のシフトが見たいと思っていた。