名も無き目立たない「モブ」の目を通して描かれる世界を彩るのは名門の女学院に通う生徒たち。
洗練された淑女を目指す彼女たちにとって日常である学校生活は、絵に描いたようにエレガントであり誰もが憧れる誠実で気品のある…………はずもなく!
一つずつが独立した味わいの短編を通して浮き上がってくるのは、女学生たちの日常と彼女たちを取り巻く環境であり、それぞれの関係性である。
語り手であり読者の目となる「モブ」たちによって明らかになるのは、彼女たちの本性と秘密。
ですが、彼女たちはそれを特別隠しているわけではなく、私たちの方が見ていなかっただけであると思わせてくれる。こういったキャラクターが持つ不思議で力強い生命力は、彼女たちにとってのリアリティを演出するようで、読んでいると自然に没入ができるわけです。
じわじわとキャラクターのことや世界観を理解していく感覚が本作の魅力となる部分です。
是非、一切の先入観をなしに読んでもらいたいです。
きっと楽しめます。
素晴らしい作品をありがとうございました。