第5話 評価?授業に出ないなら無し


 入学式から数日。

 とうとうシリウスがAクラスの授業を行う日がやって来た。挨拶もそこそこに、早速授業を進めていく。


「まず、魔法について基本的な部分を説明していこう。魔法とは魔力を用いて法則に従い事象をおこすものであるとされている」


「ふんっ!そんな基礎は既に学んでいる!学園でわざわざ説明する必要は無いと思うが?それとも、そんなことも理解してないような下賎なものが学園に来ているのか?知識の宝庫と噂された学園の看板も随分と安っぽくなったようだ」


 特待生達の方を見ながら馬鹿にしたような顔つきで授業を遮ってきたのは、モブ顔の侯爵令息だった。


(誰だコイツ、知らん)


「そうか、教室から出ていけ」


「は?」


「授業を受ける必要が無いと言うのなら教室から出ていけ。出ていかないなら黙ってろ」


「んなっ!貴様!俺を誰だとっ!」


「『サイレント』『バインド』『パラライズ』」


 ちょっと煩いし、黙る様子もなかったので黙らせておきました。と、心の中で言い訳してから制服を掴んで引きずり、ドアから投げ捨てて終了した。


「さて、邪魔はなくなったので続きだ。あぁその前に、授業内容に対する質問以外で授業を中断するやつは誰であろうと同じ扱いだ。邪魔と質問の違いをきちんと考えて発言するように」


 誰も何も言わないので納得したのだろうと理解して続きを説明することにした。


「先ほど、魔法について説明したが、これは一般的に使いやすいように法則を定めた魔法については正しいが、本来の魔法は魔力操作の技量によりイメージした事象を発現させるものだ」


 ここで、シリウスは魔力操作で魔力のみの球体を作り出した。


「まず、魔力操作を鍛える。最初は魔力で球体を作ることから、次に魔力の形を別な形へ、次に魔力を糸状に変えて図形を描く、魔力糸で自由に文字を書き空中に10秒以上残せるようになって初めて基礎が整ったと言える。それが終わらず魔法戦闘が出来ると思うな」


 シリウスは説明中に、魔力糸で『魔力の質を高める、複数同時操作、手元から離しての魔力操作など道は長い』と書き、先が有ることも伝えておく。


「魔法を使う上で属性というものが関わってくる。5歳で行う祝福の儀式では基本属性の中で得意なものを表示しているだけで他の属性が使えないわけではない。まぁ得意な属性というだけあって操作のしやすさなどはあるが、魔力操作を鍛えれば問題はないな」


 シリウスは、論より証拠とピンポン玉くらいの属性魔力球を全ての属性で出したが、どよめきが起きるほどのことでもないと、生徒達の驚きを華麗にスルーしていく。


「因みに基本属性は火、水、風、土、光、闇があり、特殊なところで雷や氷、空間などが有ると言われている。――言われているが、特殊属性は基本属性の熟練度を上げるか、合成魔法を使えば使えるものなので使おうと思えば誰でも使える。あぁ、誰でもと言いつつ誰もが使えてないのは魔力操作がカスだからだ。まれに使えている奴等は元々得意な属性だったというだけだろう」


 知られてないが空間ではなく時空なのだが、そこを訂正してやる義理は無いとシリウスは黙っている。

 知識についても教科書に載っていないことを話してはいるが、そこはノート取って補えと優しさの欠片もないことを思っていた。

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