社内で敏腕SE(システムエンジニア)として働く主人公の女性は、不眠症に悩まされていた。それと言うのも、父親が餞別に渡してくれた枕のせいだ。その枕は蕎麦殻の枕で、チクチクしたり動くたびにガサガサ言ったり、とにかく寝心地が最悪だった。
そんな主人公は、自分にとって最良の枕を探すために極秘プロジェクトを発案し、枕探しの旅に出かける。主人公の後輩君も何故かそのプロジェクトに積極的に巻き込まれ、二人は各地を飛び回ることに。
しかし、枕を探しながら枕の文化や歴史に触れるも、ことごとく最適な枕は見つからない。それどころか、新しい枕と出会うたびに、その副作用が主人公を襲う。
そして主人公はそもそも論に立ち戻るのだが……。
果たして、主人公と後輩君は自分にピッタリと合う最良の枕を手にし、快眠をむさぼることができるのか?
これは今までになかった貪欲な枕探しの旅だ。
所々にシステムエンジニアならではのルビがふってあり、枕の分析も独特の単語によって表されているため、時々思わず笑いながら拝読しました。枕って、たかが枕でも奥が深い! そんな思いをすること間違いなしです。
是非、ご一読下さい。
眠れない夜を過ごし続けた結果、毎日のように不満を抱える主人公。
彼女が求めるのは、父との苦い記憶が宿っている『枕』に代わる、自分を完璧な安眠に導いてくれるアイテムでした。
そして、彼女は決断します。最高の枕を絶対に見つけ出す事を。
色々あって彼女に協力する事になった後輩君も巻き込み、彼女の『快眠』を求める日々は、こうして始まったのです。
東に噂を聞けば奔走し、西に情報を嗅ぎ付ければ急いで手に入れる。
しかし、寝相の悪さやら、アイテムそのものの状態やら、様々な要因が重なりまくり、理想の『眠り』はどこへやら。
果たして主人公の願いに合致したアイテムは見つかるでしょうか。そして、主人公が抱えている過去とは……?
今宵もまた、主人公の安楽の夜を目指す時間が訪れます……。
北欧の羽毛枕、東洋四千年の陶枕、砂漠の砂枕、ファラオの石枕、戦国の箱枕、中世王女の寝床——不眠症のSE・ヒカリが「究極の枕」を求めて時空を越えていく発想が、もすぐれいさんの真骨頂です。
「縁もゆかりも」の凸凹コンビ劇に続き、今作も暴走型主人公と真面目すぎる後輩・蒼の掛け合いがエンジン。笑えるコメディでありながら、父の蕎麦殻枕を捨てられない理由、母の記憶——という核心が、全話を通じてじわりと効いてくる構成が巧みです。
「笑って、呆れて、ゾッとして、最後は優しく眠りたくなる」——このコピーに偽りなし。全話完成済みの連載中、今すぐ追いかけてください。
「最高の枕を探す」という一見とても身近な悩みが、ここまで賑やかで予測不能な冒険になるとは思いませんでした。
ヒカリ先輩の暴走気味な行動力と、それを真面目に受け止めてしまう蒼くんの掛け合いがとても楽しく、最新AI枕、北欧の羽毛枕、陶枕、砂枕、石枕、箱枕と、毎回「次はどんな失敗をするのだろう」とワクワクしながら読めます。
けれど、この作品の魅力は、ただハイテンションなコメディに留まらないところだと思います。
ヒカリが父の蕎麦殻枕を嫌がりながらも捨てられない理由。ふとした瞬間によみがえる母の記憶。どれだけ変わった枕を試しても、最後にはあの古い枕の丈夫さや不器用な優しさが見えてくる流れに、笑っていたはずなのに少し胸が温かくなりました。
作者様の、突飛な設定を笑いで走らせながら、その奥に人の寂しさや安心したい気持ちをそっと忍ばせるところがとても素敵です。
眠れない夜に読むと、笑えて、少しじんわりして、そして誰かに「おやすみ」と言いたくなるような作品でした。
日常の枕探しをここまで壮大な冒険にしてしまう発想力。
アイディアから引き込まれる素晴らしい作品でした。
不眠に悩むSE・ヒカリが求めるのは、ただ一つ――最高の枕。
しかし、その探求はただの寝具選びでは終わりません。
世界を巡り、怪異に巻き込まれ、ときには常識まで飛び越えていく展開に思わず笑ってしまいます。
特にヒカリと後輩・蒼の掛け合いが秀逸です。
「最高の枕を探す旅に出るわ」
というヒカリの宣言に対し、
「Perfect Innovative Life-Log Optimized Wearable!」
と全力で勘違い?する蒼。
このテンポの良いやり取りだけでも楽しい気分になります。
身近な“眠れない”という悩みを、ここまでスケールの大きなエンターテインメントに仕上げた発想が見事です。
笑って、驚いて、少し癒やされる、楽しいコメディ作品でした。