聖騎士という華やかな地位を捨て、あえて不便な辺境へと流れ着いた主人公の「静かな覚悟」が、湿り気を帯びた樹海の描写と共に心に染み入る物語でした。騎士団の「戦うための食事」と、村の「生きるための食事」。同じ蒼苔のスープでも、その意味が全く異なることを、主人公が舌に残る「苦味」を通して実感する描写が非常に美しいです。涙を堪えながら食べるシーンには、彼女が抱えてきた罪悪感の深さが透けて見えました。