第48話 合格だ

腹を抑え膝をつくイチカ。その頭上を軽く飛び越え、背後に回りイチカを盾にする。

すぐそこにユーキが、やはり距離をつめていた。


「やるじゃねぇか大将。」


それには答えず再びマジックミサイルを詠唱するブルー。ユーキは木刀を一回転させマジックミサイルを全て叩き落とす。

マジックミサイルを払った分、ユーキは踏み込みが遅れた。その瞬間、ブルーは呪文を詠唱する。


「デコイ!」


分身を右に出すと自身は左へ、同時に切りかかる。


「何度も同じ手が通じるか!」


ブルーの木刀を受け、後ろに飛びのくユーキ。分身は見破られており、ユーキの投げた木の棒ですでに霧散している。隻眼のユーキは目に頼り過ぎない。デコイに気は乗っていない。魔法が感知できなくても、ユーキは経験を経て強くなっていた。

再び木刀を腰に戻すユーキ。応えるようにブルーも腰に木刀を戻す。


「一閃!」


二人の抜刀は同時だった。二人のシルエットが交錯し止まる。

ゆっくり崩れ落ちるブルー。そして胃液を吐き散らす。


「げふっ、げふっ・・・・・」


「十分だぜ、大将。合格だ。」


ユーキは手を指し伸ばし、ブルーを起き上がらせる。


「くやしい! 勝てなかった。」


「言ったろ、殺し合いじゃないんだって。確認なんだからこれで十分だ。

あと忠告な、その長い髪を何とかしろ。本当に殺る気なら髪をつかんで引き倒す。」


「うん、わかった。ありがとう。」


「ブルーさん、がんばったね!」


イチカとフタバがブルーを抱擁する。


「これでみんなともお別れかな。姉妹ができたみたいでうれしかったんだけど。」


「いつでも会いに来てよ。里に歓迎するから。」


ブルーはにっこり微笑んだ。

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