第33話 母が竜族と恋をしたという事ですか

「そうじゃ。」


 ブルーは一瞬考えこむ。父の前でどこまで聞いていいか。父を深く傷つけるのではないか。しかし、ブルーは思い切って聞くこととした。


「母が竜族と恋をしたという事ですか。」


「お主の聞きたいことはわかる。お前はひどく難産だった。お前の本当の母親は、お前を生んだ後亡くなっている。」


再びロイを見るブルー。相変わらずひざまずき下を見たまま、表情は読めない。


「今の父母は、お主の世話役として私が命じた者だ。お主も知っての通り、森の中には混血を嫌うエルフが一定数居る。ゆえに、お前の安全を確保するため、森の外で世話をすることにした。」


「それで僕はあの館に住んでいると。」


「あの館は、もともとお前の父が森に来た際逗留していた場所だ。」


「・・・・・・」


 今まで普通に暮らしていたのに、実は本物の親子ではありませんでした。そう聞いて、意外に困惑しない自分にびっくりだった。


「冥竜復活の兆しがあるとすれば、その方が重大だ。ブルーよ、お前もロイから聞いておろう。500年前の惨劇を。」


 この地は500年前、冥界より湧き出た大量のモンスターによって蹂躙された。その際モンスター軍を率いていたのが暗黒竜ディルギオス。その際、世界各地で冥府に繋がる穴をあけられた。冥道からは数多くのモンスターがあふれ世界を埋め尽くした。その為、地上に生きる種族全てが結束して暗黒竜とモンスターの討伐に当たった。族長はその際の討伐に参加した生き残りである。


「この地もあの討伐で繋がった冥道を封印している場所。封印を守るのがわれらエルフの務め。」


「・・・・・」

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