第1話のカタルシスが凄まじい。
惑星ゴミ捨て場でブラック企業の怒鳴り声を聞きながら鉄屑を分別する主人公・春風遥人。「できないわけじゃない。ただ他人の命令でやるのが死ぬほど嫌いなだけだ」というモノローグが、このキャラクターのすべてを語っている。
主人公のユニークスキルの見せ方が抜群に上手い。物質の構造図が脳裏に浮かび上がり、10秒で500メートル級の軍艦を解体できるという規格外の能力を、わざわざバトルで見せるのではなく「脱出ポッドをオーパーツ級戦闘機に改造する」という形で活かすのがセンスの塊だ。
「腰が痛くならない高級ジェルクッション仕様に」「空調完備、防音完璧」というDIYの方向性が徹底してスローライフ志向なのも笑える。強さの使い道が「快適な逃走」というのが最高だ。
「あばよ、ブラック企業! 俺は一生、二度と働かないぞォォォッ!!」という魂の叫びとともに大気圏を突破する場面の爽快感は、読んでいてガッツポーズが出た。続きが楽しみでならない。