ゆきまるちゃんのお部屋、そっと扉を開けただけで“ひんやり温かい”不思議な空気がふわっと漂ってきました。どのエピソードも、雪のきらめきや静けさの中に、人の心の奥に触れるような小さな灯りがあって……まるで冬そのものが語りかけてくるみたいなんです。
とくに印象的だったのは、ゆきまるが出会う存在たちが皆どこか優しくて、でも少し寂しさも抱えているところ。そこに触れた瞬間、読む側の心もやわらかくほどけていくんですよね。
派手な展開がなくても、静けさの中に“物語の温度”が確かにある。冬が苦手な人でも、この作品の冬はきっと好きになれると思います。