昭和後期から平成への時代。
懐古趣味だと言われればそれまでですが、街には音と匂いと夢が溢れていました。
今は大手チェーンに完全に駆逐された、個人商店が立ち並び、街角にはギターをひく者、ビルの屋上にはトランペット吹きが、金などとらずにただ練習の為に演奏し、通学路の帰り道には子ども相手に一本数十円で商売する焼き鳥屋台がやってきて、その周辺は子どもらの社交場でした。明るい顔をした人が、今よりとても多かった。
もちろん、今の方が良い事もたくさんあります。
当時は虫歯治療も激痛だったし、車も黒い煙を撒き散らして走ったし、押し売りだって多かった。
社会は色々なものをトレードオフして動いていく。でもだからこそ、本作のように、あの頃の空気を伝える作品は貴重だし、残すべきだと思う。