プロローグの冒頭から息が止まった。
一九四五年八月六日朝、広島上空一万メートル。原爆が投下され、「間に合わなかった」という絶望の中、全長二〇メートルの機械人形・八幡颯天が原爆の後を追い、刀を一閃する——このたった数百字の場面で、この作品の全てが伝わってくる。
第1話「零 大東亜戦争休止」では、主人公・隼人と日菜が機操戦伎の役者であることが明かされつつ、その来歴が丁寧に語られる。室町時代の攻城兵器「砦喰らい」が、江戸の泰平の中で伝統芸能へと変容し、二人の人間で操る「機操戦伎」へと洗練されていく——この設定の厚みが圧倒的だ。
「最強の兵器」が「舞う芸事」に変わったからこそ、それが再び戦場に戻るとき、その落差がドラマになる。歴史IFとロボットと日本文化が鮮やかに融合した一作。