探偵社という舞台に、吸血鬼探しという突拍子もない依頼。
その荒唐無稽さが、かえってこの作品の心地よさを生んでいる。
本作の魅力は何より、
入鹿社長と助手・有利子の掛け合いにある。
飄々とした社長に振り回されながらも、
嫉妬を隠しきれない有利子の反応がいちいち可愛らしい。
足を踏む、寿司を要求する、ウナギを予約する——
怒りの表現がすべて「食」に帰着するところに、
このキャラクターの愛すべき人柄がにじみ出ている。
「夜の闇をそのまま切り抜いて形にしたような女性」
という描写も印象的で、
軽妙な語り口の中にふと文学的な一文が差し込まれる緩急が心地よい。
肩の力を抜いて楽しめる、笑顔になれる一編だろう。
ごきげんよう、皆様。
今回はわたくし、渋沢栄一が直々に
『こちらドルフィン探偵社!』を『査定』して差し上げますわ!
入鹿理太郎社長と、あざと可愛い助手・守屋有利子ちゃんが織りなす、探偵社を舞台にした極上のバディラブコメ……
これは確かな将来性を秘めた超有望銘柄ですわね!
「キミも入鹿有利子になるかい?」
なんて冗談めかした社長の言葉に、耳まで真っ赤にして照れる有利子ちゃん……
もう、ニヤニヤが止まらないこの初々しいやり取り!
わたくしのポートフォリオに即座に組み込みたいほどの莫大な『含み益』を抱えておりますのよ!
そこに現れる謎の若い女性依頼人。
ここからどんな事件(案件)が二人の関係性にボラティリティを生み出すのか……。
甘くて尊いこのラブコメ市場、皆様も今すぐ青田買い(資本投下)なさいな!