家賃1000円の格安アパート。
絶対に怪しいですよね!事故物件だといっているようなもの。
案の定、幽霊が出ます。
幽霊の姿は、おぞましいもの。
眼球がない。頬がひび割れている。涙は黒い液体。
想像しただけで怖いですよね。
それなのに、主人公はこう思います。
「この女性、生前は絶対にかわいかった!」
いやいやいやっ!!
生前はかわいかったとしても、死んでいるから!
金縛りをかけて、首を絞めにきているから!
かわいいとかかわいくないとか、そういう問題じゃない……よね?
世の中には、いろんな人がいます。
主人公はこの幽霊に恋をしました。本気です。ガチ恋です。
殺意みなぎる幽霊と、その幽霊に恋をした僕。
片思いの行方はどうなるのか、見届けていただけたらと思います。
別な意味でホラーなのに、一周回ってすがすがしいです。
この作品は一言で言えば、「ホラーなのに笑えて、笑っているうちに背筋が冷える」異色の怪作です。
舞台は、いわくつきの事故物件。
そこで暮らし始めた主人公が遭遇するのは、どう見ても危険すぎる存在……殺意をもった幽霊。
普通なら恐怖一択の展開ですが、本作の主人公は違います。
彼は“ガチ恋オタク”。
その一点だけを武器に、幽霊・恐怖・死の危険までもを恋愛文脈にねじ伏せて解釈していきます。
この価値観のズレが、とにかく強烈で、そしてクセになります。
文章はテンポがよく、語り口も軽快です。コミカルに読み進められるのに、
ふとした瞬間に「これは笑っていい話なのか?」と立ち止まらされる不気味さがあります。
ホラーとコメディの境界線を、意図的に踏み越えてくる感覚がとても鮮烈です。
また、本作は単なる悪ふざけでは終わりません。
“推す”“愛する”“理解したつもりになる”という行為の危うさが、極端な状況を通して浮かび上がってきます。
それでも説教臭さはなく、最後までエンタメとして振り切っている点がお見事です。
・ホラーが好きだけど、少し変化球を読みたい方
・ブラックユーモアや狂気寄りの一人称が刺さる方
・「こんな発想ありなの!?」と驚きたい方
そんな読者さんには、ぜひ手に取ってほしい一作です。
読み終えたあと、怖かったはずなのに、なぜか笑ってしまう。
そして少しだけ、ゾッとする。
そんな不思議な読後感が、きっと残ります!
衝撃を受けましたね、主人公のキャラクター性に。
この作品には怖い悪霊が出てくるのですが、ぶっちゃけこの主人公のほうがずっと怖いです。
主人公は月一万の事故物件に住んでいたのですが、老朽化で取り壊すことになったみたいで、六階建てのマンションのある部屋に引っ越します。
間取りは2LDKで、家賃は月千円。当然、その安さには理由があるみたいで、過去に住んでいた人が三人連続で不審死しているようです。
正直、私もこんなところがあるなら、事故物件だろうと住んじゃうと思うので、ここまでは主人公に共感できたのですが、それ以降は正直、「うわあ……」て思ってばかりでしたね。
ある日、主人公はその部屋にいる悪霊に襲われるのですが、その霊の容姿を見て、生前が可愛かったことを悟り、恋をしてしまいます。
そしてここに書くのも憚られるくらい常軌を逸した行動を……!
いや、生前がいくら可愛かったとしても、今の彼女の姿は眼窩に眼球が入っていないし、黒い液体を穴の空いた目から流しているし、頬がひび割われているんですよ!? 普通そんなことしますか!?
それからもこの主人公は悪霊に対してヤバイことをしまくります。
正直、何度もドン引きしましたが、その突き抜けたヤバさは変な爽快感すらありました。
幽霊も怖いんですが、主人公がヤバすぎて彼女がかわいそうに感じてしまいました。
とにかくこの作品はヤバイです! ヤバイばかり言っていて頭がヤバイやつだと思われるかもしれないですが、ほんとヤバイんです!
皆さんも是非読んで、このヤバさを味わってください!
とにかく主人公がヤバい奴! そしてキモ過ぎる奴! そのインパクトに強烈に心を持っていかれます。
新しい家に引っ越したものの、そこは入居者が何人も死亡しているいわくつきの物件だった。
直後に自分も女性の幽霊に首を絞められてしまうが、彼女は生前に間違いなく好みのタイプの美女だったことに気づく。
彼女の顔に向けて濃厚にチューを始める主人公。触れられないけど冷気とかの感触があるとかで喜び始める。
その後も彼女の情報収集を始めるなどし、「相手が生きている人間だったら間違いなくアウトな行動」を取り続ける。
その行動の一つ一つがとにかく「こってり」としていて、幽霊が確実に被害者に見える暴走っぷりが楽しめます。
果たして、彼の「恋」の行方はどうなるか。幽霊からすれば、こんなヤバい奴が自分のテリトリーに入ってきたら嫌だろうなあ、としみじみと同情したくなる一作でした。