会社が倒産した翌日、軍資金一万円で婚活ビジネスを始める——この発想の潔さだけで引き込まれます。
毒舌営業女・ゆかりと計算オタク総務男・めぐるという凸凹コンビの掛け合いが全編を貫くエンジンで、「年収3000万(嘘)vs理想100個」「モールス信号で愛を刻め!」「仁義なき婚活」といった話タイトルのセンスが作品のテンポをそのまま体現しています。
構成も丁寧で、本編→特別編→スピンオフ「終活編」→前日譚という45話の設計が、婚活というテーマを「縁」と「再生」の物語として多角的に完成させています。「笑って、刺さって、最後に泣ける」というコピーは誇張ではありません。完結済み・101,070文字、読み始めたら止まれない一作です。
本作は、勤務先の倒産により無職となった凹凸コンビが、軍資金一万円から婚活ビジネスで成り上がるという、魂のエンターテインメント作品です。
直感型の元営業・ゆかりと、論理型の元総務・めぐるが、婚活の見栄と嘘をあばき、絶妙かつダイナミックな方法で婚活市場に切り込んでいきます。
2人の鋭い皮肉と爆笑の台詞回しが、既存の婚活サービスが抱える無機質さを面白おかしく表現することで、スペック重視の窮屈な価値観をやすやすと吹き飛ばしてくれます。
婚活に真摯に向き合う2人の叫びは、必ずや読者にも『計算外の多幸感』を提供してくれるでしょう。
みなさまも本作を読んで、愛と結婚について笑いながら向き合ってみてはいかがでしょうか?
気付いたら最後まで一気に読み進めていたほど、ページをどんどんめくる吸引力がこの物語にはあります。
婚活ビジネスという現代的なテーマを軸に繰り広げられる物語は、勢いと冷静さが絶妙なバランスで配置され、ついクスッとなる場面も一度や二度ではすまないほど。
真剣に立ち向かうからこそ微妙なズレが生まれ、そのおかしみの中に教訓が含まれていたりと、どの章を開いても読み応えのある場面に出会うことができます。
なによりゆかりとめぐるの関係が物語をいっそう豊かに彩り、時に考えさせられながらも爽やかな読後感ももたらしてくれる。
肩肘を張らず気楽に読み進めることで、必ず何かを感じ取れるはず。
個人的には巻末の「 めぐるのワンポイント講座 」も楽しく読ませていただきました。
もう一度頭から読み返したくなる軽快さを持つ物語です。