カランからんと響く音。
軋む扉と外光が、告げるお客の訪れを。
爽やかな緑と光の香り。
暖かなランプが照らす場所。
ようこそ、木漏れ日差し込む図書館へ。
司書の柊《ひいらぎ》と申します。
誰もが知ってるお話も、誰も知らないお話も、
あるいはここではない世界で、誰かが紡いだ物語が、ここでは全てが生きている。
ここの書物は通行書。
まだ見ぬ世界、誰かの世界、はたまた過ぎた過去へでも、何処でも案内いたしましょう。
お供は何にしましょうか。
深い味わいの紅茶も良い。
少しビターな珈琲も、甘く綻ぶ果実酒も、お好きなものをお選びください。
私のおすすめ?ありますとも。
もちろん甘味も軽食も。
甘く切ない恋のお話。
雨上がりの世界の美しさ。
お節介な柳のお話に、燃える友情と絆の強さ。
品揃えには自身があります。
私の気まぐれ、日替わり話もありますよ。
さぁさぁ、準備は良いですか?
時の流れなど忘れましょう。
悩み不安も、預かります。
どうかあなたのお心を、ここで休めて、癒してください。
立ち入り、立ち去るご自由に。
本は逃げたりしませんから。
それでは、あなたの旅路に幸多からんことを。
行ってらっしゃいませ。
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