主人公である中学生の瓜田賢人は勉強が苦手だった。初めはそこまで勉強ができないわけではなかったが、漢字や掛け算などを学び始めてから彼の成績は落ち、両親から怒られるようになった。
いくら怒られても、瓜田は慣れなかった。怒られるのは怖くて、嫌いだった。だから、彼は勉強するようになった。しかし、家には勉強の邪魔となる誘惑が多く、勉強が捗らなかった。そのため、瓜田は学校で勉強するようになる。
中学でも勉強を頑張る彼は、学校から強制され、部活に入らなければならなかった。カードゲーム部に入ろうとしたが、人気なため、彼は入れなかった。
その後、彼は、奇妙な出会いから明晰夢研究同好会に入ることになったのだが——といったお話です。
中学生の人間関係がリアルな文章で書かれていて、とても面白かったです。作中での主人公のツッコミや些細な一言が面白く、読んでいて笑みが溢れました。
型にハマった普通の青春、ではありません。明晰夢研究同好会、というところからもわかる通り、個性の強い登場人物が多く登場します。
青春は十人十色であり、人には人の青春がある、ということがわかりました。読んでいて、終始、素敵だなと思いました。
どんな人でも面白く読めると思います。そして、中でも若い人に読んでほしいと思う作品でした。とても面白かったです。
ぜひ、ぜひご一読ください!
夢の中で「これは夢だ」と自覚する夢――「明晰夢」。
本作は明晰夢研究同好会に入会した主人公・瓜田賢人の青春を描く物語です。
瓜田は交友関係に乏しく、それでいて休み時間はずっと勉強しているにも関わらず成績は向上しない、報われない体質の持ち主。自己肯定感も非常に低く、そういう意味で逆にキャラが立っています。
彼は隙間時間を勉強に費やしたいがために楽そうな部活を選択しようとします。そこで選んだのが明晰夢研究同好会。この謎の出来立てサークルで、彼は北山・鷲尾の二人に出会います。
個人的に鷲尾はとてもインパクトを残すキャラだと感じました。特異な行動をたくさん取るわけでもないのに、醸し出す“ムード”だけでここまで印象に残るのは凄いですね。
「夢」というテーマを存分に活かした展開の数々に思わず惹きつけられました。夢にいるのか現実にいるのか――小説だからこそ実現できるこの曖昧な感触にワクワクさせられました。
男三人のちょっと変わった青春物語、是非お楽しみください!
瓜田は勉強も体力も中の下ほどのスペック。
だが不幸だったかといえば、そうでもないらしい。
能天気で虫が大好きな声のでかいクラスメイト。
表情に感情が乗っかっておらず、ひたすらノートに何かを書き込むクラスメイト2 と共に、
明晰夢を研究する同好会に入ったのだ。
最初は、ついていけない勉強や、終わらない宿題を活動中に片付けてしまおうという魂胆だったが、普段は能天気なのにイザ始まったらガチ勢になるクラスメイトや、
もう一つの同好会、娯楽文化同好会との確執などでなんやかんや充実した日々を送ることになる……のだが、
題材が夢だし、タイトルにもあるように終盤からの展開はまさに、『ジェイコブス・ラダー』な展開となっている。
なんならこの生活は全て夢。もしくは誰かの妄想だったのかもしれない……
と思いきや、『この物語』の作者ははっきりしているという意味で夢とは? 妄想とは?
などと考察が第三の壁を突き破ってくる。
特別じゃないのが特別なんだ!
なんとなくこの作家先生の言いたいことがわかってきた。
そんな特別なんかじゃない俺らの、
不可思議で特別な物語。
相変わらずワードセンスはキレッキレです。
ご一読を。
小学生はまだ子供
高校生はだいぶ大人
大学生はもう大人
大人と子供の丁度まんなか
中学生
現実を見ることができ始め
それでもまだ夢も見ることができる
そんな中学生三人組
夢は夢でも眠ってみる夢のお話
目が覚めた時に初めて夢だとわかる
夢のお話
そして、夢のような時間だったって
覚めた時にわかる夢のような時間のお話
中学生三人の同好会の様子を描いたヒューマンドラマです。
中学生のほんの少し擦れた青い様子が描かれた序盤。
大人から見たらどこか懐かしい気持ちが灯ります。
そして中盤以降の予想できない展開に引き込まれていきます。
たまにはちょっと作者様の十八番の笑いもあったり。
退屈な部分がなく、一気に読破してしまう作品です。
夢をみる中学生のオチを読んでみてはいかがでしょうか。
中学生になった主人公の瓜田。
通っている学校がなんらかの部活に絶対入らないといけなかったが、しかし、特にやりたいことがなかったので、彼は楽そうな部活を探すことにした。
そしていろいろ部活を見た末に、明晰夢研究同好会というところに入ることになる。
明晰夢というのは、それが夢だとわかっている状態で見る夢のことだが、主人公たちはその明晰夢を見るために小説を書いてみたりとか、いろいろ試行錯誤していく……というのがこの作品のストーリーだ。
現実と夢が交互に展開されていく本作。
やがてその境界は曖昧となり、読んでいくうちになにが夢でなにがそうでないのか、判然としなくなる。
しかし、それが奇妙な読み心地をもたらしていて、最後まで読んだあと、まるで長い夢を見ていたような、そんな感覚に陥った。
特に大きな山場があったりとか、驚くようなどんでん返しがあったりするわけではない、ひたすらに何気ない日常が描かれていくが、それこそ本作が描きたかったことで、これは大人になってから振り返るような、学生時代の青春の日々を描いた作品なのだと、私は感じた。
私も自分の学生時代を振り返ると、あれは夢のような何気ない日常だったな、と思う。読んでいて懐かしい気持ちになれる作品だった。是非ご一読を。
部活動強制参加の中学校に入った瓜田は、同じく1年生の北山に、「明晰夢研究同好会」なるものを結成しようと誘われる。
一見取っつきにくい鷲尾も加わり顧問も決まり、一波乱あったものの部室も確保でき、無事同好会が発足するが、肝心の活動内容は「寝ること」で……。
何もしないし何も起こらないけれどかけがえのない学生時代の一瞬を描いた、ゆる~い青春小説。
タイトルとリンクしたラストも見事です。
キラキラした青春なんてものとは無縁だった方ならきっと共感できるはず!
恋をしなくても、スポーツに励まなくても、勉強ができなくても、友達としゃべっているだけで楽しかった“あの頃”が鮮やかに甦るでしょう。
青春を青春らしく生きるのは、実は結構難しい!
本作を読むと本当に、「青春」を100%満喫するのって「当たり前」にできることじゃないのを実感させられます。
主人公である中学生の瓜田賢人。彼は中学ではどこの同好会に入ればいいかと悩むことに。カードゲーム部などは人気がありすぎて入れない。出来れば何かゆるいところを、と思ったところで、「明晰夢研究同好会」なる謎の同行会に入ることに。
北山龍行や鷲尾真琴らと共に活動を始めるが、そこでやるのは「寝ること」だけという。
明晰夢という、自由に夢の内容を操作できるらしいというもの。
彼らは研究してそれを自由にできるのか? それとも、ただの「ひるね部」で終わってしまうのか?
そんな風に「ゆるくて不毛な青春」を送る彼らの日常が……と思ったところで意外な「ままならなさ」も見えてくることに。
実際のところ、本当に100%満足のいく「青春」を送れている人って世の中に何割存在するんだろう。大半は受験で消費してたり、なんか悶々として終わったりとか悔いも残ってる人が多そう。
そんな感じで「人生」という波に翻弄される瓜田だったけれど、最後まで読むと「いやいや、やっぱり」と考えさせられることにもなりました。
どんなに不毛でも、なんか不完全燃焼に見えても、そこに生きていた事実がしっかりと「青春」だったんじゃないか。そんな風にも思わされる爽やかがとても良かったです。
冴えない、ままならない。それでもちゃんと生きている感じ。そういう大事さも感じさせられる楽しい作品でした。
居場所のない少年が、束の間だけ手にした居場所の物語だ。
勉強しかすることがない瓜田、
やたら元気な北山、
何を考えているかわからない鷲尾。
この三人が「明晰夢研究同好会」で過ごす時間は、
ただゆるくて、どうしようもなくて、
でもどこか温かい。
北山が、クワガタに夢の中で会いたいと
語る場面にこの物語の核がある。
叶わないとわかっていても、
夢に何かを託さずにはいられない。
その切実さが、
ふざけた同好会に不思議な重みを与えている。
「あれがずっと続いていたら、
もう少しくらいは楽しかったかもしれない」
この一文が、読み終えた後もずっと残る作品だ。