シューマンの楽曲『トロイメライ』を巡る四つの掌編からなる群像劇風の連作短編集。
とても5000字強とは思えぬ満足感。マジで文章力どうなってんだ、という感じです。
『トロイメライ』を好んで弾く認知症の礼子とその娘・麻利絵。麻利絵はピアノの才能がなく、母の期待に応えられなかった苦い思い出があり――。
彼女たち以外にも、母の病を目の当たりにして医者を志すも夢を諦めた男性や荒れ果てた戦場に立つ兵士などが登場。それぞれがそれぞれの人生を歩んできたことが伺え、胸に迫るものがありました。
最後に「連作」としての繋がりを見せたとき、霧が晴れたように読者の視界が開けます。読後の余韻も絶妙で素晴らしいです。
短い文字数で胸を打つ短編をご所望の方は是非ともご一読ください。
トロイメライ。
🤔
ミスター味っ子に出てくる、老舗の洋食店🍴
ソレが真っ先に浮かんだ🙄🍝
そして、
フジコ・ヘミングが奏でるピアノ曲。
シューマンのトロイメライ。
きっと、わたしにセンスが無いだけだと思うけど、あの曲を聴いていると、途中で音が外れているように感じる。
口ずさもうにも、口ずさめない。
否定のメロディー。
だからと言って、キライじゃない。
スゴく残るメロディーだから。
このお作品。
キレイなループをしている。
物語がクルリと続いている。
我々が読む、物語。
ソレはどこかで途切れる。
けど、現実の世界は、途切れることが無い。
ずっとずっと、続いている。
どこかに繋がっているのだ。
このお作品。
夢のようで、現実。
どこかに繋がっている。
ぜひ、その繋がりを感じてください🤗🎹♬
認知症になっても、体に染みついた習慣や技術は覚えていたりするもの。
それはさながら、夢幻の中を歩みながら、染み付いた習慣を頼りに自分自身や大切な人たちと対話をするようなものなのかもしれません。
だからこそ、曖昧な状態から出た母の問いが、娘に深く刺さり響くように感じました。
夢と現実、希望と絶望、今と昔、喜びと悲しみ。
一つ一つはバラバラでつながりが薄いのですが、それらがトロイメライの調べに乗って混ざり合い、夢現の境界が曖昧になった先に、「今この瞬間を懸命に生きる」、という一つの答えに辿り着けるような気がします。
そしてそのことは、たとえ自分が認知症になっても、頭の片隅に刻んで大事に実践していきたいものですね。
本作、トロイメライを聞きながらというのは勿論のことですが、是非とも合わせて紅茶もセットにしてお読みいただきたいです。
猫小路葵さんの最新作。とてもよい掌編集でした。
ストーリーは、主人公の麻利絵が、母礼子の入っている老人ホームを訪問し、礼子の弾くシューマンの名曲「トロイメライ」を聞くところからはじまります。医師、テレビ、出入りの業者、そうした何気ないホームの情景から、「トロイメライ」で緩やかにリンクした4編のお話が展開されます。それぞれ心に残る作品でした。3つめの少年はなんとも救いがありませんでしたが、無常感もまたよしです。
「どんな曲だったっけ?」「あー、これか?」と、トロイメライを流しながら読みましたが、とっても作風と合っていました。
これはお勧めです。