瞳の色による差別という重いテーマを軸に、生きる意味を問う物語へ自然と引き込まれました。絶望の底にいるビリーヴと、優しく寄り添うレアリーギ、そして陽気ながら深い悲しみを抱えるコーラルの掛け合いが印象的です。骸骨船という幻想的な舞台も魅力的で、過酷さと温もりが同居する世界観に続きを読みたくなりました。
瞳の色が階級を決める残酷な世界で、自死を図った奴隷の少年ビリーヴが、意思を持つ骸骨たちが操る幽霊船に救われるファンタジーだ。支配層の「青」と被支配層の「紫」、両方の瞳を持つ少女船長との交流を通じ、外見や身分に囚われない「個」の尊厳を問う重厚なテーマが最大の特徴である。骸骨たちのコミカルながらも切実な死生観や、謎に満ちた「幽霊海域」の設定が、差別社会への鋭い風刺と幻想的な叙情を両立させている。社会風刺を含む重厚なファンタジーや、人間ドラマ、異類との交流を描いた群像劇を好む読者におすすめできる。
瞳の色が身分を決める世界。その上下がひっくり返る瞬間、差別の正体が剥き出しになる。幽霊船の上だけに差別がない。骨には瞳がないから。この残酷な論理がそのまま、この作品の美しさになってる。続きも楽しみにしています。