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私の煙

私の煙

真花

おすすめレビュー

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★★★
★39
14人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 猫小路葵
    692件の
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    ★★★ Excellent!!!

    煙が目に染みる

    タイトルにある「煙」という言葉が幾層もの意味を持ち、迫ってくる。
    夫との絆をあらわす煙。
    虚無感を紛らわせる煙。
    そして、最後まで彼女のそばにいた煙――

    本来なら「米寿」を祝われるはずの年齢だった。
    それなのに、主人公が置かれたのはあまりに静かで残酷な境遇だった。
    彼女は決して「上流階級」ではない。
    けれど、運命を呪う代わりに煙草に火をつけて深く吸う、その姿には気高さが宿っている。

    主人公が同居しているのは、息子、その嫁、孫息子。
    問題だらけの家族。ペンキで描いたような笑顔。うなぎと寿司。
    そんなリアリティが、物語の没入感をより高める。

    淡々と語られるモノローグに、気づけば絡めとられていました。
    煙が目に染みて痛いような、肺の奥まで痛いような読後感でした。

    • 2026年2月24日 16:45