歴史の大きなうねりを背景に、傷だらけで帰還した少年のような白髪の青年が、女首領と軽妙に、かつ深い信頼で結ばれている様子が鮮やかに描かれています。若々しい顔立ちに老人のような白髪。拷問と死の淵から「驪龍」なる人物によって引き上げられた代償が、その外見に刻まれている設定が非常にミステリアスです。痛みを感じながらも「千騎は切ってた」と嘯く強がりと、軍略を語る利発さのギャップが、主人公としての器を感じさせます。
唐代の西域を舞台に、人外の過去を持つ女首領と、戦場から救われた白髪の青年たちが織り成す義賊譚だ。 歴史的事実と道教ファンタジーが融合し、精緻な情景描写が重厚さを支えている。 かつて妖狐だった主人公が「人」として生きる決意と、仲間との絆が酒宴の喧騒や山道の静寂を通じて叙情的に描かれる。 術式や東洋医学の要素が、物語に独特の神秘性を与えている。歴史ファンタジーや義賊もの、宿命を背負った人外主人公を好む読者におすすめできる。