管理者アストレアの計算に基づき、村ごと「廃棄」された魚人の少年レオンの反撃を描く。生命維持に必要な海流を遮断される窒息の恐怖描写や、個の命を「ノイズ」と切り捨てる全体主義的な秩序との対立が重厚だ。物理法則さえ書き換えるレオンの力「逆流(オーバーライト)」が、完璧な統治システムに亀裂を入れるカタルシスが見所である。水中戦ならではの圧迫感と疾走感が物語に独特の緊張感を与える。ディストピア設定や王道の逆転劇、熱いファンタジーを好む読者におすすめできる。