「正しいことをした」
そう信じた瞬間ほど、人は怖いのかもしれない。
この作品が突きつけてくるのは、善意そのものを疑うことではなく、「自分にはすべてが見えている」と思い込むことの危うさです。
私たちは、目の前にあるわずかな情報だけで、あまりにも簡単に人を判断してしまう。
困っている人を助けたい。
間違っていると思うことを正したい。
その気持ちは、きっと悪くない。
けれど――本当に、自分にはすべてが見えているのか。
ごく短い物語なのに、読み終えたあと、自分ならどうしただろうと考えずにはいられません。
誰かを判断する、その前に。
自分の「正しさ」を信じ切る、その前に。
一度、読んでほしい。
短いからこそ、一撃が深い作品です。