雪は音を奪う…そんなすばらしい書き出しから始まる物語は、冒頭から鬼が出てきて話に引き込まれていきます。読み進めていくと「この鬼、なんだか不思議…」というやわらかな印象を受けました。春を知らない鬼とのやりとりは、まるで良質な絵本をめくっているかのよう。物語の季節感を拭うようなあたたかさがそこにはあり、読んでいて温もりを感じていきました。雪解け…そして春へ…とてもやさしい気持ちにさせてくれる物語です。