主人公の田神一樹は良い奴だった。そして良い奴だからこそモテなかった。
誰にも良い顔をして、誰とも平等に関わって、ただ「良い人だよね」と印象には残らない。
そんな彼が特別な好きな子に告白するも、見事撃沈。涙ちょちょぎれながら、友人たちと男女交えてのカラオケ大会。
しかし、メンバーは互いに上手くいきそうだからと遊びをぶっち。残ったのはクラスの高嶺の花、藤高彩理奈だった。
おふざけではっちゃけた一樹は何故か、彩理奈の笑いのツボを直撃。そこから二人の甘くて不思議な関係は始まってーー
たった一人とは何か、親友とは何か、恋人とは何なのか。みんな誰かのたった一人になりたいはずなのに、なれない。
誰かのたった一人になるってことは、誰かの心の内に踏み込むことだ。踏み込むってことは嫌われるかもしれないってことだ。
みんなそれは嫌だ。だからみんな当たり前のように心の距離を取る。
ならば親友とは何なのか、恋人とは何なのか、誰かのたった一人になるにはどうすれば良いのか。
互いに距離を取りがちな二人は悩みながら、その問いに甘く、切なくラブコメしながら向き合っていく。
相手のことは好き。でも、好きって何なのか、友情か、恋愛か、性欲か、寂しさか、依存か、執着か。それらの複数なのか、全部なのか、それらの言葉ですらないのか。
唯一性という幻想に囚われがちな我々が、何かを掴む一助になるかもしれない。そんな甘いラブコメでございます。
……やべえ、レビューが全然甘くない。
いや、作品は甘いんだって!本当だって!