静謐な文体の中に、死の冷たさと国家存亡の危機が同居する、非常に重厚な物語だと感じました。先代サラの「冷たくなった体」を膝に抱えながら、その座を継がなければならないレンの孤独が痛切です。本来なら希望であるはずの継承が、彼女にとっては「羽根をもがれるまでの猶予」でしかないという絶望的な設定に引き込まれます。