着ぐるみバイトをする高校生たちの日常会話が軽快で、蒸し暑い夏の空気感や、楽屋でのほっと一息つくシーンが生き生きと描かれていて、物語の世界に引き込まれます。特に、主人公・夜の「なんとなく周囲の気配がわかる」という独特の感覚が、静かな違和感とともにじわじわと効いてきて、心地よい緊張感があります。テンポの良さと、独自の繊細な雰囲気作りが光る、青春ファンタジーだと思います。
——なぜ蛇が脱皮するか知ってるかい?それは大人になるためだ。誰もが知っている事実が、古地図が生まれる理由に繋がるとは思わなかった。その発想が素晴らしい。——必要になったとき、改めて拾いにいけるように——見えないものを言葉で掘り出して見えている振りをする古地図の謎や月読峠の由来を語る言葉が素敵すぎる。月が隠されたこの町の秘密。そんな謎解きに浸りたい人にオススメ!
面白ーい!清々しい読了感。 タグにあるように、ライトノベルらしいキャラクターと展開の面白さが目を引きます。作品名や序章の設定をほぼ使い切って、ちゃんとエンターテインメント性保っているの、凄いですよ。 何より「異能をそう解釈するのか!」という驚きがありました。これは思いつかなかったな…… 最後はまさに、らしい。 少年らしい感覚で知る、「苦くて甘酸っぱい、青い春」の1ページ。
物語の続きを書くなんて難しい課題だ。ともすれば、元の物語に引きずられて自分の世界観を見失ってしまう。それなのに、元の物語を自分の世界観に引きずり込んでいる。流石って感じで面白かった。
月読峠の静かな夏に潜む違和感が、少年少女たちの心の奥をそっと揺さぶる。着ぐるみの中で交わされる会話が、日常の裏にある“異常”をじわじわと浮かび上がらせる。心の声に耳を澄ませたくなる、繊細で不穏な余韻が残る青春ミステリー。