春爛漫 を描いて欲しいと依頼を受けた
一人の絵師。加えて、女性を絵の中へと
配置して欲しいという。
テーマとしては容易に思われた 春爛漫
その曖昧な、霞の様な情景に筆は滞る。
何かインスピレーションを得られればと
思い、京都御苑の梅林に足を向ける…。
日常の世界から、ふとした瞬間に足を
踏み入れる 異界 は、常に其処彼処に
門戸を開けている。気が付いた時には既に
常世の 春の宴 へと。
作者らしい、小さな自然への温かくも
鋭い視点が 春爛漫 を描き切る。
梅の木にメジロ、足元の春の草の美しさ。
紅白揃いの開花の宴に、感性の高揚と
諸行無常を観る。
確かな視点で描かれる美しき物語。