勇者や魔王が出てくる物語で、魔王側から描いたものは、昨今では珍しくないかもしれません。しかし、本作では、魔王が倒された「はず」の世界から始まり、死んでなかった魔王の目線で描いていくところが、とても興味深かったです。ひとこと紹介で書きましたが、「正義」の反対は「別の正義」、という言葉を思い出しました。「正義」という言葉の対義語は「不義」や「悪」とは限らないのだと。正義の名の下に振り翳された傲慢によって倒された魔王が、これからどうやって新しい世界を築き上げていくのか、楽しみです。