朝露村では数十年に一度、左肩に痣のある子供が生まれる。その子は成人すると村の守り神である大山椒魚の花嫁として捧げられる。
そんな掟により大山椒魚のハンザキ様の花嫁となったのは、村の少年の瑞穂でした。
ハンザキ様、大山椒魚なのですがとても美形の男神で、花嫁が男だったことに驚きながらも瑞穂を受け入れます。
瑞穂はお世話係のイモリやカエルと交流を深めながら、素っ気ないハンザキ様にびくびく。
ハンザキ様の屋敷での穏やかな暮らしの中で、二人はだんだんと心を通わせてゆきます。
可愛らしい両生類のお世話係達との昔話のような優しい物語、かと思えばエロティックなBLもあり。
一途な瑞穂と、彼を優しく守ろうとするハンザキ様を応援したくなります。
想いあう二人の別離と再会はとても胸を打つものでした。
性別、種族も超えた信頼と愛を描いた異類婚姻譚です。
BLお好きな方も、そうでない方でも関係なくおすすめです。
良い作品を読んだな、とこの作品を読み終えてしみじみ思いました。
生贄として神にささげられた少年、その少年を嫁として迎え入れた山椒魚の神。
そこだけ見れば悲劇的な物語を思わせます。ですが、この山椒魚の神が神々しく、すべての生き物に優しく、そんな神に少年は心惹かれてゆくのです。
タグにはBLとありますので、そういう物語でもあるのですが、それだけにとどまりません、それ以上の感動をもたらしてくれます。
童話のようでありながら、人の心を真っすぐに描くストーリー、相手のことを純粋に思う心の美しさ、山椒魚やカエルなど、人から見れば異形の生き物たちを愛でる優しい世界観、そのすべてが美しい文章の調べで語られていきます。
中編のボリュームながら、心にしっとりと残る素晴らしい作品だと思いました。
先入観なしにぜひ読んでもらいたい作品です。
個人的にも大変好みの作品でした!
主人公の瑞穂の暮らす村では、大山椒魚を村の守り神『ハンザキ様』と呼んで崇めている。
そんなハンザキ様に、村はときどき『花嫁』として捧げものをする。今回、花嫁の印が現れたのは、なんと男の瑞穂で――。
神聖化される動物といえば、オオカミやイノシシ、あとは鹿(知識がもの〇け姫に偏ってて、ごめん)とかでしょうか。
そんななか、作者様が神に選んだのは、大山椒魚!
なかなか素敵なセンスだなと思いました。
ちなみに、岡山県真庭市の湯原温泉にはハンザキ大明神という日本で唯一のオオサンショウウオを祀る神社があるそうで、個人的に気になります。
それはさておき……本作はBLで、しかも異類婚姻譚です。
前半は、そこはかとなく妖しい色気のある神秘的な恋のお話。後半は二人に襲いかかる試練が描かれます。ほのぼのとしたラブで終わらない、ちょっとビターな展開もあるのが、とっても私好みでした。
あと、ハンザキ様に仕えるイモリやカエルがやたら可愛くて、作者様の両生類への愛も感じるお話です☆きっと、あなたもお世話係たちが好きになる!!!
民間伝承や古典で見るような不思議なお話を求めてる方におススメ☆
古くからの因習により人外の守り神『ハンザキ様』の花嫁として生贄同然に捧げられた少年『瑞穂』
しかし彼の絶望の先に待ち受けていたものは思いがけず、日本の原風景を想像させる不思議でのどかな世界だった。
本作の大きな魅力のひとつは主人公である瑞穂の純朴で健気なキャラクターにあると感じました。
本来なら自分の運命を呪い、打ちひしがれていくしかない状況にありながら、彼は連れ去られた異世界でユーモラスな生き物たちに心を開き、自ら畑仕事を買って出るなど、その場所に自分の居場所を見出そうとします。
また、その明るく健気な姿を目の当たりにして最初は冷徹に見えた『ハンザキ様』も次第に瑞穂に惹きつけられ心をほぐしていきます。
特殊な状況にもかかわらず、互いに引き寄せられ狭まっていく二人の距離感。
ささやかな日々の積み重ねに感じずにはいられない二人のもどかしさと温かさ。
その目眩く物語に彩りを添える名前も姿もユニークな「お世話係」の蠑螈や蛙たち。
しかし、あろうことかそんな平和な世界に足音を忍ばせた厄災が突然、牙を剥いて襲いかかります。
その結末は、はたして……。
生き物たちの動き出す春の息吹を感じながら読みたい和風ファンタジーです。
まずはぜひお手に取ってみてください。
カクヨム10テーマ小説コンテストの「宿命の伴侶部門」に参加の本作。
異種婚姻譚ということで、一体どんなカップリングになるのかと思えば、主人公の瑞穂少年のお相手は、まさかの両生類!
更には同性!
BL苦手な私はちょっと尻込みしつつ、それでもオオサンショウウオがヒーローという部分が気になって読み始めれば、そこには何とも可愛らしく優しい生き物たちと、多くの感情を持った魅力的な宿命の伴侶が待っていました。
瑞穂視点で描かれる世界は、どこか桃源郷を思わせるようなメルヘンさがあります。
そこで心を通わせていくふたり。
しかし、そうすんなりとはハッピーエンドにならず…。
異種婚姻譚は、実はとても難しい題材だと思います。
種族の違いは、心身共にある相違から多くの困難に見舞われることがほとんど。
そこを描かないと、ただのメルヘンで終わってしまいます。
本作はそこをしっかりと描いており、種族が違うからこその困難を乗り越えて迎える奥深いハッピーエンドが、非常に尊いものになっています。
BLや両生類が苦手だよ〜と遠巻きのあなたにこそ、オススメ致します。
その村では、特殊な痣をもった子を、成人を迎えた日に村はずれの洞窟に棲むという「ハンザキ様」の花嫁として捧げるしきたりがありました。
しかしある年、痣をもって生まれてきたのは男の子。
しきたりを枉げることはならぬと、成人を迎えた少年は悲しみとともに家族と別れ、恐怖とともに洞窟のなかへ踏み入ります。
けれど、意識を取り戻したとき、その場所、そして目の前にいたその人は……。
少しずつ、けれど、やさしく、しあわせに心が通い合い……その絆は、どんなにつらく苦しいことがあろうと、決して途切れることはない。
そんな世界を求めているあなた、ぜひ、このハンザキ様の土地を訪れてみてください。
タグに記されたBLとかオオサンショウウオとか両生類という言葉にもしも尻込みをされているとしたら、もったいない。どうかページを開いてください。お伽話のような風味を持ちながら、美しくも悲しい愛の物語が待っています。
自然に対する畏怖から生贄として人間を差し出すという因習から、少年の数奇な運命が始まります。でもその場所はおどろおどろしいものではなく、可愛らしさと優しさに満ちた世界で──
どんどん進んでいく展開にこちらまで主人公と同じく感情が乗せられてしまいます。そして脇役のお世話係たちがとにかく可愛らしくていじらしい。彼らにもぜひ注目してください。
怒涛のような後半と最後には目の裏が熱くなりました。
直向きな愛が崇高な、そして小さな生き物たちを見る目が変わる一作です。この世界をどうか味わってください。
その村では、アザを持つ者が生まれると、成年になる春にハンザキさまに花嫁として捧げられる習わしがある。
この度生まれたアザを持つ者・瑞穂は、少年だった。
彼はしきたりに従い、成年になると家族に別れを告げ、ハンザキ様に嫁いでいくことに。
「ハンザキ」とは、オオサンショウウオの別名だそうだ。
つまり、ハンザキ様もまたオオサンショウウオである。
怯えながら嫁いだ先は、イモリやカエルたちが世話係を務める、両生類の世界だった。
冷たいように感じられたハンザキ様と、恐れ戸惑う瑞穂。
しかし二人の間には、やがて一途な愛情が芽生えていく。
けれどその想いは、人間たちの思惑や欲望によって翻弄されていくことに――。
異類婚を描いた、美しくも切ない純愛物語。
ぜひ、その顛末をあなたの目で確かめてください。
きっとページを繰る手が止まらなくなりますよ!
種族を越えた愛とか絆とか。それがもうとにかく尊い作品でした。
村に住む少年・瑞穂は洞窟に住む『ハンザキ様』のもとに輿入れさせられることになる。
それは巨大なサンショウウオのような怪物だとされ、姿を見た直後に恐怖する。
しかし、ハンザキ様は美しい青年の姿になることが出来、目覚めた瑞穂は安堵することに。
ここから二人が絆を育んでいく感じが、とにかく素晴らしかったです。
ハンザキ様は「ちょっと素直じゃない」感じもあって、少々ぶっきらぼうな感じに瑞穂に接しては来る。でも、心の中ではとても大切に思っていて、何かと気にかけていることが伝わって来る。
そんな風に徐々に幸せな時間を紡いでいく二人だったが、後に「大きな波紋」が訪れることになって。
神と人。そんな異類だからこその「時間の流れ」だったり、「異形の姿」をしているからこその人間たちの反応があったり。
異類婚姻だからこそ出来る「絆」や「悠久な時間」が強く感じられる、胸を震わせるストーリーでした。
生まれつき村の守り神であるハンザキさまに嫁ぐことが決まっていた少年、瑞穂。
花嫁衣装に包まれて嫁入りする。そこは人間たちの住まう世界とは別の世界。
瑞穂の前に現れたハンザキさまは、美男子だが冷たそうなひとだった。
お世話係の両生類たちとも仲良くなり、ハンザキさまとの距離も少しずつ近づいて――。
まず、キャラクターたちが魅力的です。
瑞穂は健気で可愛いですし、ハンザキさまも素敵です…!
そしてお世話係たち…!めっちゃカワイイ…!
皆と交流していく様が自然に描かれていて、こちらまで笑顔になります。
和風ファンタジー✕異類婚姻譚✕BLということですが、すっと世界に入れます。
一途な愛が好きな方は迷わず読んでみてください。
両生類のこともきっと読み終えた時には好きになっていると思います。
オススメです。ぜひ…!
村の掟で、大山椒魚であるハンザキ様の花嫁として捧げられた少年、瑞穂。家族との別れを悲しんでいたが、瑞穂の前に現れた美男子こそがハンザキ様で……?
最初はハンザキ様の冷たい態度を切なく思う瑞穂。でも、少しずつ二人の距離は縮まっていく。
人間と大山椒魚の恋愛、という驚きの物語だが、二人の交流を見ていると、こちらもドキドキしてしまう。愛に種族など関係無いのだ。
また、お世話係の瓢箪(イモリ)たちが何ともかわいい。毛嫌いするなかれ、本当に癒される。
だが、二人を待っているのは幸せだけではない。
それでも、信じ続ける。その果てに待つものは……。
まさに「宿命の伴侶」を描いた素敵な作品、ぜひお楽しみください。