学校の怪談から始まったはずの「オボロサマ」が、掲示板、配信、注意喚起プリント、まとめサイト、学者の語りへと拡散していく構成が非常に現代的。物語というより“記録”を読んでいる感覚が強く、断片が積み重なることで不気味さが増していくタイプの作品です。
特に秀逸なのは、「失敗談が消えていく」「削除されたログ」「簡略化されていく儀式」といった“情報の変質”そのものを恐怖にしている点。怪異そのものよりも、“広まり方”が怖い。読後にスマホの画面を見るのが少し嫌になる系です。
直接的なホラー描写は控えめですが、その分じわじわくる。派手な展開よりも、現実と地続きの不安を味わいたい人向け。
都市伝説がどうやって“育つ”のかを描いた、静かで現代的な怪談。
信じるかどうかより、「拡散するかどうか」を問われているような読後感が残ります。