物語を読み進めるたびに、主人公に対して自分を投影したくなるような共感や、応援したくなる気持ちが自然と芽生えました。
さらには、退屈させない様々な仕掛けが施されてあるため、つい次の章を読みたくなるまさにページターナーな作品です。
なんといっても、主人公ニコラスの所作は心をくすぐる愛らしさがあり、不器用さが本当に可愛くて、何かあるたびに「がんばれ!」と声をかけたくなりました。
対話の場面だけでもグイグイ引っ張ってくれる求心力がありますので、気付いたら物語の世界に引き込まれている自分に気づくことに。
けっして堅苦しさはなく、物語全体にのびのびとした余裕をうかがえるのも、主人公とそれを描き出す作者の方が持つ魅力によるものなのでしょう。
主人公の心情を通じて読書の喜びを教えてくれる作品です。